986ボクスターの初期モデルと996の初期モデルに多い電装系のトラブルです。
MY97ではリコールも出ている箇所で、それ以降のモデルは改善されているはずなのにMY98でも発生した事例がいくつかあります。
MY97のリコールの番号は、リコール 外-0687-0 です。
原因は、イグニッションスイッチの強度不足で、キーシリンダーの後ろについているプラスチックパーツがひび割れすることによるもの。
割れてしまったイグニッションスイッチはこちら。
症状としてはタイトルにもかいたように3箇所に影響が出ます。
- ヘッドライトが点灯しなくなる
- ワイパーが動かなくなる
- エアコンは表示はされるが風が出ない
対策パーツですが、現在はイグニッションスイッチのみの純正パーツがなく、ステアリングロック部分から全部ついた形で提供されています。
(たしかにリコールではステアリングロック部分も該当箇所としてあがっていますが、原因はほとんどの場合がプラスチックパーツの部分です)
ステアリングロック部分からごっそり交換となると、たしか部品代が1.7万ぐらいなのですが、工賃が5万近くかかってしまいます。
そこで、プラスチックのイグニッションスイッチのみを入手する方法はないものかと調べていたところ、USのサイトで$36で販売されている物を発見。
よくあるトラブルとして空冷ポルシェ専門店のゼネレイトさんのサイトで紹介されており、問い合わせたところ以下のような回答をいただきました。
社外品のスイッチのみパーツもあります。5000円ぐらいです。
しかしこれがポルシェの指定する対策部品との報告は無いのです。
社外品パーツでも初期不良の純正ものとは色も細かい形も違い、交換した車の再
発も確認されないので、特に問題は無いとおもいますね。
ということで、ゼネレイトさんで入手して送っていただきました。
送っていただいた対策品(というより社外品)のイグニッションスイッチはこちら。
これでも実は高いんですけどね。
プラスチックのイグニッションスイッチは元々1000円程度のパーツです。
さて、交換方法はというと、運転席足元から上を見上げてキースイッチの裏を覗き込む形となります。
まずはエアダクトを外す必要あります。
スイッチを覗き込んだところです。
大きなコネクター刺さってます。
コネクター抜いて本体を外します。
鏡に映っているのがネジ部分です。
2箇所のマイナス頭のイモネジ(埋没タイプのスクリュー)を精密ドライバーなどで緩めます。
緩み止め剤が塗ってあるため、緩めにくい部分です。
あとは取り外したイグニッションスイッチを新しい物と交換し、逆の手順で取付を行います。
本ページの画像は、兵庫県の空冷ポルシェ専門店ゼネレイトさんが以前に公開されていたものです。
ゼネレイトさんのページ閉鎖のため以前はリンクさせていただいていましたが、個人的に保存していたアーカイブから画像を拝借して掲載する形に変更させていただきました。